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ガラスと写真の異色の組み合わせによる静寂と清冽な世界です。 二階も含め全館使用した空間的な展示は見応えあるものになってます。 山本佳子+シーズン・ラオ 2015年7月10日 (金)-8月2日(日) 金土日 午前9時より日没 まで開場 ◆ Reception/Talk:7月11日(土)午後3時~ (無料:飲食物ミニマムな一品をご持参下さい) Art Labo 北舟 〒080-0017 北海道帯広市西7条南4-6 Website(仮) http://mmfalabo.exblog.jp/ Mobile 070-5360-8300 (白濱) E-mail artlabokitabune@gmail.com 北海道に来て改めて感じるのは、全く月並みなセリフであるが、自然の美しさである。それも、絵葉書のような風光明媚な自然ではなく、こちらの人にとっては何でもないようなものの美しさである。水や空気の美味しさ、空の広さ、川の水、星空、降り積もる雪、咲き乱れる道端の草花、夜の静けさなどなど… 大都市で暮らしていると、こんな当たり前すぎることがとても貴重になるのだ。 「自然の素晴らしさ」と頭では知っているつもりであっても体験、実感としては、ほとんど皆無で表層的な知識や情報として知っているにすぎない。私たちはあまりに便利で快適で合理的な生活に溺れてしまい、こうしたことへのセンサーの感度が低下しているのだ。 草花が芽吹き、蕾をつける。いつのまにか鳥がさえずりはじめる。やがて葉が落ち、虫が死に絶え、一面白い世界に飲み込まれて行く。 しかし、そこは死の世界ではない。じっと息をひそめて、世代をまたいで生きている命がある。無意味にも見える営みへの共感、愛おしさ、尊厳、それこそが「もののあわれ」と謳われた感覚ではなかっただろうか。 シーズンラオの写真に表出する懐かしさは、私たち日本人も身近すぎて忘れかけているその繊細な感覚である。そして、それは雪景色と擬古典調の風合いによってさらに凝縮されるのである。山本佳子のガラスの造形は、ガラスという脆く繊細な素材感、雪や氷に似た表情と密接に関係しながら、命の儚さと死を形象化する。 アーティストの視線と素材によって凝縮した表現によって改めてその美しさに気づくのである。それは単なる懐古だけではない。 私たちのリアルな世界から昔日のごとく遠く隔たった感覚と その感覚を実感することすら忘れかけているという二重にその隔たりを感じるのである。そこにこの二人の作品の新しさがあるのだ。(白濱雅也)
by fukagawalabo
| 2015-07-12 13:02
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